オーストラリアの砂丘にてⅡ  〜フレーザー島〜 (2004年)

もうどのくらい歩いているだろうか? 気がつくと、世界の時間が全く止まっているようだった。
そして、周りの全ての音も、砂にすっかり吸い込まれているようだった。
急な砂の斜面は、3歩登れば2歩滑り落ちる。そのために出る私の荒い息づかいと、砂に食い込む自分の足音すらも聞こえないのだ。

砂丘
唸ってみた。私の声がどこか遠くの砂底から微かに聞こえた。私自身が小さな砂粒になってしまって、周りの砂に吸い込まれた錯覚を起こした。


ここに残っているのは、砂粒たちが沈黙したままひたすら悶えうごめきつくった、透き通り光る造形だけだった。