つれづれ

内モンゴルの砂丘にて 〜バタムジーリン砂丘〜 (2006)

世界最高の砂丘

世界最高海抜の砂丘があり、世界最大の砂漠オアシス群だという。
人間を受け入れてくれることができるギリギリの地、そして神が住む世界の入り口のように思える砂漠だ。

砂丘の傾斜は直角ではないかとさえ思われる。そんな切り立った砂丘のてっぺんへ、ジープはすごいエンジン音を立てて一気に上る。てっぺんの空中で一瞬止まったかと思うと、反対側の斜面にジェットコースターのごとく転がり滑り降りる。

滑り降りた砂底には、風化したラクダ(?)の骨が、なめらかな白い光を放ってグッサリと砂に突き刺さっていた。
またもや、目の前に立ちはだかる三角錐のようになった次の砂丘のてっぺんを目がけるが、今度は頂上に届くもう少しのところでジープのエンジンは鈍い音を立てながら一瞬止まってしまい、せっかく上った斜面をそのまま一気に斜めに傾きながらあともどりして滑り落ちてしまう。
結局、人間はジープから降りて自力で登るしかなかった。

上からズルズルと崩れ落ちてくる砂と戦いながら這いつくばってやっと砂面を上がりきると、 足元のはるか前方に乾ききってしまったオアシスの砂底が青く光っていた。
そして、先程見たラクダの骨が砕けて白い砂になって青白い光を出しながら、 オアシスの砂底であぶくのような動きでうごめいているように見える。たぶん岩塩なのだろう。