『砂』 連作制作のきっかけ

 

若い頃、私は自画像ばかり描いていました。
まるで、「密室にうずくまる居場所のない女」のような暗い自画像でした。
不器用で思うように絵が描けないと、苦しみました。

35歳の時、悩み疲れていた私に衝撃的な砂丘との出合いがありました。
砂粒が夕日と強風にあおられ、青や紫の色彩とサラサラと流れる心地よい音を放ちながら、
美しい風紋を次々と描き出しています。
その風紋は、永遠に繰り返すかのように、消えては描かれ、描かれては消え去ります。
その様を見ながら、私は涙があふれ出ました。
砂粒と自分が重なり合い、私の生き方を示されているように感じたのです。

それからは、「砂」をテーマに100号Fのパネルを次々と横に何枚も繋げる連作を描くことが、
私のライフワークとなりました。

現在、鳥取砂丘や浜岡砂丘にとどまらず、タクラマカン砂漠、ナミビア砂漠、バダムジーリン砂漠、トンゴリ―砂丘、
レンソイス砂丘、ホワイトサンズ、フレーザー島など、砂丘があるところはどこへでも出かけて「砂」を感じながら、
「砂」100号Fの連作を続けて描いています。

作品 〜 『砂』100号F連作 〜 <画像・タイトルクリックで各作品ページに移動します。>

2017年発表 11枚の連作

1620×14300mm 岩絵の具、水干、砂、アートレジン

2016年発表 9枚の連作

1620×11700mm 岩絵の具、水干、砂、アートレジン

2014年発表 10枚の連作

1620×13000mm 岩絵の具、水干、砂、アートレジン

2012年発表 17枚の連作

1620×22100mm 岩絵の具、水干、砂、アートグルー

2011年発表 11枚の連作

1300×17820mm 岩絵の具、水干、砂、アートグルー

2010年発表 12枚の連作

1300×19440mm 岩絵の具、水干、砂、アートグルー

2005年発表 26枚の連作

1300×42120mm 岩絵の具、水干、砂、アートグルー

1999年発表 20枚の連作

1300×32400mm 岩絵の具、水干、砂、アートグルー