つれづれ

中国の砂漠にてⅡ　〜タクラマカン砂漠〜(2005)

風の強い日だった。地元のガイドが、砂丘の下を歩く私に
「早く上に登ってこい！」と砂丘の上で叫んでいる。
「砂がお前を飲み込む。危険！　危険！」というのだ。
たった1時間位しか歩いていないのだが。
確かにさっき歩いていた砂道が覆いかぶさった砂で消えてしまったような気もする。

青く光るこの美しい砂の中なら、飲み込まれても苦しくないだろうと一瞬思ってしまった。

この地方では、風が吹く日、砂の下からラッパを吹く音が聞こえると言う。
一晩で砂に埋まってしまった兵隊さん達が、ラッパを吹いているのだと言われているそうだ。

つれづれ 目次

• はじめに
• 砂のことば　宇宙のことば(2019)
• 日本全国の砂丘(2017)
• アートグルー・アートレジンの使用（2017）
• 日常のアトリエにて(2010)
• ブラジルの砂丘にて(2009)
• エジプトの砂漠にて(2008)
• 鳥取砂丘にて（2007）
• モンゴルの砂漠にて（2007）
• 南アフリカの砂漠にて（2007）
• 私の出会った砂（2007）
• 内モンゴルの砂丘にて（2006）
• 作品収納の時（2006）（鳥取砂丘情報館・ギャラリー流音砂）
• 中国の砂漠にてⅠ（2005）
• 中国の砂漠にてⅡ（2005）
• ニューメキシコの砂丘にて（2004）
• オーストラリアの砂丘にてⅠ（2004）
• オーストラリアの砂丘にてⅡ（2004）
• 浜岡砂丘にて（2003）
• アトリエにて（2002）