
つれづれ 目次
中国の砂漠にてⅠ 〜タクラマカン砂漠〜 (2005年)
大病をして6ヶ月間の入院をしたことがある。
あの時は死を覚悟して家族に遺書まで書いたんだっけ。
よく眠れず病院のベットで夢ばかり見ていた。それも全く同じ夢を繰り返し見ていた。
昔、色覚検査に使われていた図に出てくるような赤、黄色、青などの無数の点が、
当たり一面にうごめいている。
そんな点だけの世界に私は居る。点の集合体が山になったり谷になったりする。
空もない。海もない。何処までも無限に点のみが続いている。
私には羽があるらしい。羽を使って山の上から谷に向かって飛び降りるのだ。
フワーとしながら同時にスピード感があって一瞬は気持ちが良いのだが、
すぐそのあとに私自身が小さな石ころになってしまい、息苦しくなるところで目が覚める。
今、私の目の前に広がる砂丘の風景は、あの夢の中に出てきていた光景とそっくりだ。
ただ違うことは、無数の色で砂が輝き美しい風紋を描くこの谷には、
飛び降りたりして私の足跡など決してつけてはならない、と思う事だ。
そして、いつまでもここでじっと見つめていたいと思った。
あの時は死を覚悟して家族に遺書まで書いたんだっけ。
よく眠れず病院のベットで夢ばかり見ていた。それも全く同じ夢を繰り返し見ていた。
昔、色覚検査に使われていた図に出てくるような赤、黄色、青などの無数の点が、
当たり一面にうごめいている。
そんな点だけの世界に私は居る。点の集合体が山になったり谷になったりする。
空もない。海もない。何処までも無限に点のみが続いている。
私には羽があるらしい。羽を使って山の上から谷に向かって飛び降りるのだ。
フワーとしながら同時にスピード感があって一瞬は気持ちが良いのだが、
すぐそのあとに私自身が小さな石ころになってしまい、息苦しくなるところで目が覚める。
今、私の目の前に広がる砂丘の風景は、あの夢の中に出てきていた光景とそっくりだ。
ただ違うことは、無数の色で砂が輝き美しい風紋を描くこの谷には、
飛び降りたりして私の足跡など決してつけてはならない、と思う事だ。
そして、いつまでもここでじっと見つめていたいと思った。
